「GE帝国盛衰史ー「最強企業」だった組織はどこで間違えたのか」

 

私の中でのGEのイメージは、人としてはジャック・ウェルチであり、製造業と金融業の双方で成功した偉大なアメリカ企業というものでした。

ジャック・ウェルチがもてはやされている時に、

を買って、読もう読もうと思っているうちに、引っ越ししたりして本がどこかへ行ってしまい、それらを読む前に、「盛衰史」を読むことになり、その中でウェルチはGEに負の遺産を残し退任後もGEにたかりながら贅沢な生活を続け、死人でしまいました。

本書では、ウェルチ退任後のGEが、様々な問題を抱えてその後始末に苦悩し、徐々に追い込まれ解体へと向かっていく姿が描かれています。問題は多岐にわたりますが、特に私が印象に残ったのは、

・金融事業が、当時の法令上は違法とは言えないものの、利益を出すための作為的な手法が多用され、それが後に問題として噴出していったこと

・取締役会の監督機能が働いておらず、是正されるべきものがされないまま長期間に渡ったこと

・本来の事業である製造業が衰え、その立て直しが極めて困難であったこと

といったことでした。マイクロソフトビル・ゲイツが本書を読んで大変参考になったとブログで書いたとのことで、営利企業において問題となる様々なことが凝縮されていると言っても過言ではなさそうです。

結構、長いですが、通読する価値のある一冊でした。