北海道新聞の女性記者、取材中逮捕 調査結果「情報共有に問題」

北海道新聞の女性記者、取材中逮捕 調査結果「情報共有に問題」 - 産経ニュース

記事によると、逮捕された入社1年目の記者は6月22日、旭川医大の学長解任を審査する会議を取材。新型コロナウイルス感染対策のため、大学側が構内への立ち入り禁止を報道各社に通知する中、先輩記者が校舎内に入るよう指示。記者は会議が行われているとみられる4階の部屋を見つけ、ドアの隙間にスマートフォンを近づけ無断で録音した。会議室から出てきた職員に見つかり曖昧な返答を繰り返したため、身柄を旭川東署に引き渡された。

私は、北海道新聞の電子版を有料購読していて読めるので、当該記事を読んでみたのですが、ざっくりまとめると、

旭川医大が立ち入り禁止の意思を表明していた書面を上司が見たが、よく見ていなくて、入っても大丈夫だろうと軽信していた

当該記者は、北海道新聞の誰かから言われて(誰かは解明できず)構内に立ち入り、自分の判断で会議内容を隠し撮りしていた(北海道新聞のルールでは、隠し撮りは基本的にしないことになっていた)

当該記者が誰何され、立場を説明せず後退りしたりして逮捕され、逮捕された後に立場を明らかにした

この事件前に、北海道新聞の記者を含む記者らがが旭川医大側とトラブって無断で立ち入らないように抗議されていたが、その情報が上に伝わっていなかった

という内容で、報道の自由による正当性を主張するわけでもなく、建造物侵入罪が成立しないと主張するわけでもなく、弱々しい感じで語る、寂しげな調査結果記事でしたね。

当該記者については、旭川医大側の立入を禁止する意図がうまく伝わっていなかったようで(記事を読む限りですが)、建造物侵入罪の故意認定はちょっと難しそうだな、という印象を受けました。

ただ、立入が拒絶されている場合の、取材活動に必要な慎重さといったことは感じられず、うかつな印象は受けましたし、今年の春に入社したばかりの新人記者を、緊迫した状況の中に、きちんと指導もせずに安易に行かせる無神経さ、いい加減さも感じました。

報道の自由を声高に主張できるような状況ではなかったと、北海道新聞社自身が考えていることはよくわかりましたし、今後の、より慎重な取材が望まれると感じるものがありました。