東京地方検察庁第二庁舎(通称「ニチョウ」)について(「ニチョウ 東京地検特捜部特別分室」裏話)

 

ニチョウ 東京地検特捜部特別分室 (朝日文庫)

ニチョウ 東京地検特捜部特別分室 (朝日文庫)

 

 拙著で「ニチョウ」と呼ばれるチーム(特捜部特別分室)は、東京地検第二庁舎の中にいるという設定になっています。

これは、かつて実在していたものでした。

東京地方検察庁の沿革

http://www.kensatsu.go.jp/kakuchou/tokyo/page1000036.html

同43年2月に,北区稲付西山町に東京地方検察庁第二庁舎が開設され,交通部及び事務局,総務部,刑事部のそれぞれの一部が移転しました。
平成2年6月,中央合同庁舎6号館A棟の完成に伴い,当庁は,現在の庁舎である同建物に移転し,上記の第二庁舎に置かれていた部署も同建物に移転して,第二庁舎は廃止されました。

同43年2月に開設された第二庁舎には,刑事部所管事件を南北に二分割して,北部地域を管轄する刑事部の一部と交通部が置かれることとなりました。 

私は平成元年に検事任官しましたが、まだ第二庁舎はあって、同年12月から翌平成2年3月まで、そこにあった刑事部で勤務しました。その年の6月に廃止されていますから、廃止直前にそこにいたことになります。

東京地検内では「ニチョウ」と呼ばれていて、勾留請求、勾留延長請求、起訴等の決裁の際に、事件記録が霞が関の本庁に行ってしまうので、記録の行ったり来たりで時間がロスしてしまい、窮屈に感じられたことが思い出されます。そういうこともあって、刑事部長が本庁から第二庁舎に出向いて決裁を行うということもよくありました。

拙著では、その第二庁舎がまだ建物として残っていて、チームがそこに入ることになります。