https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171117-00000522-san-soci
平成29年版の犯罪白書が17日、閣議で報告された。28年の刑法犯検挙者のうち65歳以上の高齢者は、他の年齢層と比較して最も多い4万6977人で、全体の20・8%を占めた。高齢検挙者の犯罪種別をみると、「暴行・傷害」が20年前の9年と比較して17・4倍になる5823人に上った。“キレる高齢者”が問題になる中、高齢者の粗暴化が顕著となっていることが裏付けられた。
私が大学生当時に読んでいた刑事政策の専門書では、「高齢者犯罪」というと、体力も衰えていて粗暴犯は少ない、という書き方がされていた記憶ですが、今や、65歳、70歳程度で高齢者扱いはどうかと思えるほど元気な人が増えていますし、高齢者の定義自体を見直すべきかもしれないという気がします。
高齢者といっても人によりますが、社会の中で、旺盛な体力、好奇心を持ちつつ生きていれば粗暴犯に及ぶこともあるでしょう。また、逆に社会の中で孤立し、孤独、ストレスから粗暴犯に及ぶ人もいるでしょう。数値のみで「高齢者の粗暴化」と片付けるのではなく、その背景に目を向けて、適切な犯罪対策を講じる必要性を感じます。
犯罪白書は、犯罪の姿を映す鏡のようなものであり、参考になります。