http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160711-00000061-mai-soci
故田中角栄元首相を義父に持つ民進党の田中直紀元防衛相(76)=参院新潟選挙区=は今回、4選を目指して比例代表に転じたが落選。1947年以降、角栄氏が引退した直後の約3年間を除き70年近くにわたって続いた「田中家の議席」を失った。
私が中学、高校、大学生として社会に対して関心を持つようになった昭和50年代は、ロッキード事件で逮捕、起訴され刑事被告人となった田中角栄元首相が「闇将軍」として政界に君臨し絶大な勢力を誇っていた時代で、金権腐敗の象徴として強く批判もされていましたし、私が検事を志したのも、そうした腐敗を正したいといった、若者らしい正義感も手伝っていたような気がします。
最近、田中角栄ブームのような状態で、私も、本や雑誌を読んだりして当時を振り返っているのですが、田中政治をざっくりと言えば、巨大な利益誘導政治であったような気がします。敗戦で焦土と化した日本が復興する、冬は雪に閉ざされる新潟の山間部に光をあてる、そのために、田中角栄元首相のような人が動いて、様々な利益をその政治力で引っ張り、そこに金が、人が、票が集まってくる、そういう構造であったと思います。
平成に入り、様々な制度が変わり、政治の有り様も大きく変わって、田中家の議席もなくなってと、大きな歴史の流れ、変化を感じるものがあります。