暴力団やテロリスト集団の犯罪対策 「共謀罪」創設法案 通常国会に再提出へ政府検討

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130924/plc13092401370003-n1.htm

政府は、これまで廃案になった法案の内容を変えない前提で再提出することを検討する。国際社会から関連法を早期に整備するよう要請を受けてきたことに加え、東京五輪開催が決定したことをきっかけに法整備の必要性を訴える方針だ。

暴力団にしてもテロリストにしても、単に「やってやろう」と共謀だけして犯罪遂行へと進むものではなく、実行前に、殺人であれば予備行為を行ったり(刑法で「殺人予備罪」が既にあり処罰対象です)、爆発物を準備したり(これも爆発物取締罰則で予備行為を処罰する規定が既にあります)、銃器を準備したり(銃刀法違反で処罰されます)するもので、既存の刑罰法令を十分に活用することで、組織犯罪、テロ対策には、かなりの効果を挙げることが可能だと思います。むしろ、問題は、処罰すべき法令がないから、ということではなく、いかにして事前に情報を収集して生かすか、未然に防止するか、ということで、それは、米国での9・11テロでも、テロ発生後に大きく問題になりました(テロを未然に防止できる情報を得ていながら生かすことができなかったことが明らかになっています)。既に共謀罪が導入されている米国で、9・11テロを防止できず大惨事を引き起こさせてしまったことも想起すべきでしょう。共謀罪があるから組織犯罪やテロが防止できる、という単純な話ではありません。
共謀罪の危険性については、本ブログでも、繰り返しコメントしてきましたが、「五輪テロ対策」といった美名のもとに、一般国民が冤罪に泣くようなことになってはいけないと思います。テロや組織犯罪対策の重要性、具体的な方策の樹立、実行と、国民の人権に深刻な悪影響を及ぼしかねない危険な立法は、明確に区別して論じられる必要があると思います。
参考までに、興味ある方は、

共謀罪(「共謀」を含む)に関する過去のエントリー
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20061112#1163310543

をご覧ください。