大阪府警 2度虚偽調書…堺署員が公判でも偽証

http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20130610-OYO1T00594.htm?from=main1

事件処理を担当した別の課の当直署員は、巡査長と巡査から事情を聞き、「(巡査長が)保護室収容を決めた」という供述調書を作った。だが、留置管理課の警部補(50)が「このままでは全員が処分される」と言い、2人より階級が上の巡査部長が収容を指揮したよう調書を書き換えさせたという。巡査部長は仮眠中だった。
刑事収容施設法によると、保護室への収容は警察署長の命令を要するが、緊急時には現場の警察官の判断で可能。今回は急いで対処する必要があり、巡査長らに問題はなかったが、警部補は、巡査長らが独自に判断して保護室に移したことが不適切と思いこんだとみられる。
その後捜査を引き継いだ刑事課が留置場で実況見分をした際、巡査部長が現場にいなかったことが判明。だが、刑事課員は、警部補による調書の書き換え指示を隠し、巡査長と巡査が独断で収容したことが上司にばれるのを恐れ、巡査部長がいたかのように2人で口裏合わせをしたとする内容の調書を作成したという。
男は公務執行妨害罪などで起訴され、「警察官から殴ってきた」と主張したため、巡査長と巡査が今年3月、大阪地裁堺支部の公判に証人出廷。刑事課員が作ったうその調書に沿う証言をしたが、その後、府警の内部調査で経緯が発覚した。

刑事収容施設法では、214条で、「留置担当官は、被留置者が次の各号のいずれかに該当する場合には、留置業務管理者の命令により、その者を保護室に収容することができる。」として、「留置業務管理者の命令により」とされていますが、刑事施設に関する同法79条2項の「刑事施設の長の命令を待ついとまがないときは、刑務官は、その命令を待たないで、その被収容者を保護室に収容することができる。この場合には、速やかに、その旨を刑事施設の長に報告しなければならない。」が、刑務官を留置担当官、刑事施設の長を留置業務管理者に読み替えて準用されているので、記事にあるように、留置担当官の判断で可能であったわけで(とはいえ、なぜ、巡査部長の指揮、という話にでっちあげたのかがよくわからないのですが)、とんちんかんな警部補が、「このままでは全員が処分される」などと、馬鹿げたことを言い出したことが発端になってしまいました。
その後、嘘が嘘を呼ぶ、嘘の「わらしべ長者」(貧者?)のようになっていますが、過去のこういった警察不祥事を見ていても、一旦、ささいなことでも嘘をついてしまうと、それを糊塗するため、整合させるために、嘘を重ね、書類を偽造し、関与者が雪だるま式に増えて行く、というパターンが多いですね。上記の件でも、結局、偽証という重い罪まで犯してしまっていて、救いがたいな、と感じるとともに、こういう不祥事が起きてしまう警察組織の構造的な問題、何度も繰り返し指摘されてもなかなか是正、改善できない深刻さといったことを感じます。
やはり、正直ベースで何事にも臨み、隠したりごまかしたりしない、というカルチャーを根付かせないと、今後もこういった不祥事が頻発し、それでなくても国民に見放されつつある警察組織がますます見放され落ちて逝く、ということになってしまうでしょう。