- 作者: 読売新聞社会部
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2012/11/08
- メディア: 単行本
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再審無罪となったこの事件ですが、私も、
殺害前「空白の1時間」 東電社員接触、4人目存在か
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20110726#1311685914
追加鑑定で受刑者DNA検出されず 東電OL殺害事件(11/11/22)
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20111123#1322020196
再審開始決定でも2回のハードル 東電社員殺害事件
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20120606#1338980253
東電女性社員殺害:マイナリさん釈放 東京入管横浜支局へ
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20120607#1339065714
マイナリ元被告を釈放、入管施設移送 東電社員殺害事件
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20120608#1339088888
「うれしい」何度も=マイナリさん、無罪に喜び―東電OL殺害
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20121107#1352260492
と、報道に接しつつ注目していたので、途中の自分自身の印象と、報道の裏側での記者の印象とを比べたりしながら読み進め、興味深いものがありました。
この事件が発生した、1990年代後半当時、私はまだ検察庁にいましたが、現場や遺体から採取された微物について、可能なDNA鑑定を徹底して行う、という手法は、一般化しておらず、この事件で行われたように、必要な(と捜査機関が考える)鑑定を、良く言えば取捨選択しつつ、悪く言えば(現在はこういう評価ですが)つまみ食いしながら行う、ということで済ませてしまっていたように思います。そういった捜査手法は改められなければならず、また、収集された証拠(特に、証拠物やその関連証拠)や鑑定結果については、捜査機関が独占して小出しにするのではなく、少なくも起訴の時点では、リストを被告人、弁護人に対して明らかにし、十分活用できるようにする制度作りが急務です。刑事司法における、見直し改善されるべき問題点の多さを感じます。