これが本当の「忠臣蔵」 (小学館101新書―江戸検新書)

これが本当の「忠臣蔵」 (小学館101新書―江戸検新書)

これが本当の「忠臣蔵」 (小学館101新書―江戸検新書)

書店へ行ったところ、たまたま見かけて、買って読みました。さらっと読めて、読みやすい本でした。
忠臣蔵については、様々なエピソード等が語られていますが、後の創作も多く、どこまでが史実として認められるものなのか、わかりにくいのが実情でしょう。本書では、史料に基づきつつ、忠臣蔵の実像を、客観的に明らかにしようとされていて、ある程度知識のある人にとっては頭の中を整理するのに役立ち、知識のない人にとっては手頃な入門書になっています。私は、どちらかというと前者に入りますから、読みながら、忠臣蔵の根幹部分がどこにあるかを整理することができました。
以前、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20071017#1192582432

でもコメントしたことがありますが、著者は、赤穂浪士の心情について、当時の「かぶき者」気質が本質であったとしていて、本書でもその考え方が展開されています。当時の言葉として、「人前」(ひとまえ)ということが言われており、討ち入りによって「人前がなる」(面目が立つ)、ということが、当時、赤穂浪士の間で言われていたことが本書で紹介されています。こういった心情、考え方は、現代の日本人にも受け継がれている面がありますが、やはり、当時を生きていた人々特有のものがあって、忠臣蔵の「なぜ」という部分は、考えてみるとなかなか興味深いものがあると、改めて感じました。