<オリンパス>「不正ない」虚偽繰り返し 経営問題に発展も

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111108-00000052-mai-bus_all

オリンパスは90年代から、有価証券投資で多額の損失を抱えていたが、損失は決算書などに記載されず、ごく一部の関係者しか把握しない「含み損」の状態が続いていたとみられる。同社の発表によると、その損失を消すために、英ジャイラスの買収に伴って投資助言会社へ支払った約660億円や、国内3ベンチャー企業の買収費用計約730億円を、複数のファンドを通すなどして流用したという。つまり、本来支払うべき額より高い金額を支払い、隠れていた損失を消すという手法を使ったとみられる。

こういった不正は、バブル崩壊後、1990年代の後半に、問題としてあちらこちらで噴出し、刑事事件に発展したものもありましたが、ごく最近に至るまで、長年、隠し通してきていた、というのは、驚きですね。証券市場に対する背信行為であるだけでなく、金融商品取引法(旧証券取引法)上の、有価証券報告書虚偽記載の罪が成立する可能性が極めて高く、関与したオリンパス関係者は、刑事責任を問われ、厳しく断罪される可能性が高いでしょう。
また、損失を消すために、その時点で支出するべきでない巨額の支出を行ったことが、会社に損害を与えたものとして、商法(会社法)上の特別背任罪に問われるという可能性もあると思います。
同社の従来の説明が、嘘で塗り固められてきたということになれば、上場廃止、株価の更なる暴落、株主に生じた巨額の損失の賠償問題等々、次々と深刻な問題が生じてくることは必然です。今後の存続すら危うく、他社による買収の対象になるということも、具体的に視野に入ってくる可能性が高いと思います。
オリンパスだけでの問題では済まず、日本における企業統治が、オリンパスのような、優良と思われていた会社ですらこの程度といった失望感が広がり、株価の更なる低下等へとつながる可能性もありそうです。