「コンカツ・リカツ」弁護士会抗議 行政書士の相談場面

http://www.asahi.com/culture/update/0729/OSK200907290086.html

問題となったのは5月8日放送分。清水美沙さん演じる主人公の女性が、夫の浮気が発覚したため、ふせえりさん演じる行政書士に離婚の相談をし、慰謝料請求などについて尋ねる場面があった。
弁護士会は6月9日付の抗議書で、行政書士が「最終的には慰謝料は分割に、養育費も月々の支払いになるでしょう」との見通しを示したり、助言を約束したりしたやりとりについて、「弁護士しか扱えない法律相談業務にあたる」と主張。行政書士行政書士法で民事上の権利や義務などに関する書類作成業務とその範囲での相談しか請け負えず、視聴者に誤解を与える恐れがあるとしている。
一方、大阪府行政書士会の石津良宗総務部長は抗議内容への評価は避けたうえで「離婚についても、当事者間で争いがない場合、書類作成に必要な範囲で相談に応じることは可能だ」と話している。
国内の離婚は毎年20万件以上あり、行政書士司法書士が関与するケースも増えている。司法制度改革で法曹人口が急増する中、大阪弁護士会は職域の侵害を見逃さない姿勢を強めており、異例の抗議につながったとみられる。

私は、この場面を見ていないので、ドラマ中で行っていた行為が違法なものかどうかは何とも言えませんが、こういった行政書士の行為が、その職務の範囲を逸脱しているかどうかは微妙で、グレーなところという印象は受けますね。ただ、例えばドラマで殺人とか銀行強盗の場面があったからといって、殺人や銀行強盗が推奨されているというわけでもなく、弁護士会が放送局に抗議書を送りつけるというのも、やや大人げない、という気はします。
弁護士会が、現状の法制度の中で、「職域の侵害を見逃さない姿勢」を強めるのは当然と言えば当然ですが、「現状の法制度」で、弁護士以外の隣接法律職ではできないことになっているものの事実上やっていることが、できないままで良いのか、見直しを行い国民の利便性も考えできるようにすべきものもあるのではないか、ということは、今後、きちんと議論する必要があると思います。
私自身が手がけている仕事の多くは、隣接法律職ではできないことなので、競合を気にすることはありませんが、確かに、今のように弁護士の数が激増すれば、競合する場面も増えてくるのは必然であり、現状の法制度が変わらない限り、今後、この問題は、より深刻化する可能性が高いでしょう。