過払い返還請求トラブル急増…日弁連が異例の指針

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091004-00000066-yom-soci

多重債務者からの相談に対し、報酬が確実に見込める過払い金回収しか引き受けない弁護士や、返還金の9割近くを報酬として不正に受け取った司法書士も。日本弁護士連合会(日弁連)は、過払い金回収だけの受任はしないよう求める異例の指針を公表。民間団体も悪質な司法書士の実態調査に乗り出した。

日弁連の多重債務対策本部によると、東京都内のある弁護士は東北地方で過払い金回収などの相談会を開くCMをラジオで流した。仙台市の会場で自己破産を希望する参加者に対し、「地元の弁護士にお願いしなさい」と拒否。ほかにも複数ある借金のうち、過払い金が発生する分だけ受任する弁護士についての苦情が寄せられているという。

私も、以前、一時、個人の債務整理案件を取り扱っていたことがありますが、本来、その人の状況に応じて、過払い金返還を優先させそれによる再起を図ったり、一定の収入があれば任意整理をやって返済したり、他に手段がなければ自己破産するなど、弁護士が一緒になって検討し適切な手段を選択すべきものです。過払い金が、特に相当額あるケースは、弁護士(あるいは司法書士)にとって、報酬が多くなるメリットがありますが、そういう人だけ受任し、他は知らないよ、では多重債務者の救済にはならないし、そういった資格を持つ立場の公益性、公共性という観点からも問題はかなりあるでしょう。
ただ、どういう事件を受け、あるいは受けないかは、個々の弁護士等の問題、というのが建前であり、受任しないから、即、懲戒にする、処分するというのは難しい面があります。
もう遅いと思いますが、過払い金返還案件については、法律で日弁連司法書士会の直轄ということにして、過払い金返還センターのようなところで取り扱い、得られた報酬を他の多重債務者の救済原資にまわす、といったことでもすれば良かったのではないかという気がします。