常習性犯罪者にGPS「腕輪」、韓国で来年秋から実施

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070419-00000013-yom-int

保護観察官が行動を監視し、女児らへの性犯罪を未然に防ぐのが狙いだが、「人権侵害のおそれがある」との声も上がっている。

性犯罪の常習者や女児への暴行歴がある者のうち、再犯のおそれがあると判断された場合には、出所から最長5年間、電子腕輪の装着を義務づける。
腕輪にはカギがかけられ、壊すなどして外した場合には3年以下の懲役となる。

言い尽くされたことですが、「再犯のおそれ」を、誰が、どのような資料によって、いかにして判断するかということが、まず問題でしょう。この種の判断は、非常に難しいものです。
また、「電子腕輪」による監視の実効性ということも考える必要があると思います。監視していれば本当に未然に防げるのか?という素朴かつ根本的な疑問が生じます。監視により本当に犯罪そのものを防止するためには、GPSでの監視では無理で、常に身近に誰かがいて犯罪を犯そうとすれば飛びかかって阻止すべきでしょう。しかし、そこまではどう考えても無理です。
そうすると、常に監視されているという心理的抑制、犯罪を犯せば足取りが証拠として残っていることで検挙されやすいという状況を作っておく、といったところに犯罪抑止効果を求める、ということになるように思います。米国の「メーガン法」とは、やや異なる方向性と言えるでしょう。
「最長5年間」というところで、年限を切ることで、過度な人権侵害を防止しようとしているのかもしれませんが、いろいろな意味で問題を含む制度であることは間違いないと思います。
最近、

を少しずつ読んでいるところで、メーガン法(「ミーガン法」とも言われますが、元の発音に近いという意味では「メーガン法」のほうがより適当なようです)が成立してきた経緯や運用の状況、様々な問題点などがよくわかって参考になりますが、この種の犯罪に対する対策という意味で、韓国の上記のような措置は、今後も議論されて行くことは確実でしょう。