「ネット上の誹謗中傷といじめの関係」

http://benli.cocolog-nifty.com/la_causette/2006/12/post_5db2.html

ブログ事業者もISPも某匿名掲示板の管理者も、ネット上で誹謗中傷が横行していることは既に十分に知っているはずです。もはや「被害者がスルー」してくれることに期待するのではなく、しかるべき対策を講ずる時期に来ています。誹謗中傷者や誹謗中傷発言の愛好家たちのもたらす膨大なアクセス数に目がくらんでネット事業者が誹謗中傷対策を敢えて行わないということは許されないと考えるべきでしょう。

誹謗中傷関係のアクセス数、というものを測定したデータを見たことはありませんが、インターネット利用全体の中ではごく一部で、通常のサービスを提供している立場であれば、そういったものに「目がくらむ」というほどのものではないでしょうね。ただ、ある種の掲示板等で、そういった刺激的なものを一種の売りにしている、というものはあるでしょうし、そういった場合には、「目がくらむ」ということが起きる可能性は否定できません。
そもそも、考えておかなければならないのは、本来、自由に利用できることが魅力であったインターネットの世界で、ISP等が、利用者の行為に様々な形で強力、積極的に介入してくるという事態の危険性でしょう。誹謗中傷されているかわいそうな無名の個人がいる、そういった人を救済すべきだ、という場合だけではなく、政治家、社会的に強い力を持っている組織、人などが、自分に都合の悪い言論を封殺するために、「誹謗中傷」を言い立て、強い圧力をかけてくる、という場合も実際にはあります。どちらも「誹謗中傷」を理由にしていますが、誹謗中傷と一口に言っても、様々であり、一括りにして片付けるには、あまりにも重い問題と言えるでしょう。
ISP等が無責任を決め込んでいてよい、とは思いませんが、利用者が自己責任で自由に利用し、そこにISP等が介入するのは必要最小限度にとどめる、といった枠組みを根本から変えてしまい、「対策を講じる」という名の下に、ISP等が、時には警察にコントロールされた岡っ引き、目明かしのような役回りにもなって、強力、積極的に介入する、という事態が、本当に望ましく、良い結果を生むのか、ということは、よく考えてみる必要があるように思います。

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20061025#1161745506
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20060701#1151722093
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20060628#1151504117
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20060416#1145185014
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20060107#1136595199
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20050927#1127827191
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20050814#1123966554