国家人権委員会・ソウル地方弁護士会訪問(韓国見学最終日)

昨日は、韓国における見学最終日で、午前中は国家人権委員会を訪問し、午後はソウル地方弁護士会を訪問して、説明を受け意見交換を行いました。
国家人権委員会は、いただいた資料によると、人権保護を目的に、韓国における1990年代の紆余曲折を経て、2001年11月に発足した組織です。発足後、約4年ということになります。
非常に高い独立性が保障された機関であり、
1 人権に関する総合的機構
 人権の保護・向上に関するすべての分野を担当する
2 準司法機構
 人権侵害・差別行為に対する調査及び救済
3 準国際機構
 国内における国際的人権規範の実行
という役割を担っているとのことです。
各種の人権侵害に対し、陳情等に基づいて調査(強制力はなくオンブズマンの性格とのこと)などを行い、改善勧告を行う、というのが主要な活動のようで、その他にも種々の活動を行っているということでした。
非常に強力かつ効果的な機関であり、かなりの実績も積み重ねていて、日本が参考にすべきところは多いと思いましたが、朝鮮日報のサイト
http://japanese.chosun.com/
で、「国家人権委員会」で検索してみると、国家人権委員会の活発な活動状況とともに、国家人権委員会をはじめとする人権保護システムやその機能に対して、行き過ぎているのではないかという反発も韓国国内では根強く存在するようで、今後も、その活動に対しては注視して行く必要性を感じました。
午後は、ソウル地方弁護士会へ行き、関係者からお話を聞きました。韓国でも、弁護士会が、日本と同様に、人権救済のため各種の活動を行っているとのことで、国家人権委員会では十分な活動ができない分野について、今後とも弁護士会の活動が重要性を持ち続けるのではないか、という関係者のコメントが印象的でした。
余談ですが、弁護士会館内の一室で、熱心に碁を打っている弁護士がいるのを見て、日本でも韓国でも、碁の好きな人はいるものだなと思い、おもしろく感じました。
見学終了後、ソウル市内でお土産物屋へ立ち寄り、金浦空港から羽田空港へ向かいました。
なかなか充実した見学だったと思います。