暴力事件で波紋 AV規制 強化すべきか

http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20050211/mng_____tokuho__000.shtml

撮影で、出演した女性が複数の男性から繰り返し暴行を受けたあげく、直腸に穴があくなど全治四カ月の重傷を負った。女性が被害届を提出し、警視庁池袋署は八人を強制わいせつ致傷容疑で逮捕。しかし、七人は処分保留で釈放された。
 逮捕後、インターネット上などで同社の「異様さ」が注目された。同社自体も摘発前、ネット上で女性らが強制的に酒を飲まされ意識不明にされたり、大やけどを負うなどの撮影状況を同社のセールスポイントである「演出抜き」を強調して披露。数十人の出演男性らも「鬼畜な行為に参加しませんか」という同社の公募で集めた素人たちだった。事件後、同社は活動を停止したが、商品のビデオは現在も流通している。

難しい問題ではありますが、上記のような撮影行為の違法性と、表現に対する規制は、分けて論じる必要があるのではないかと思います。
直腸に穴があくような行為に、何ら違法性がないとは言いにくいと思いますし、少なくとも業務上(重過失)過失致傷罪の成立は十分考えられるでしょう。
ただ、こういったアダルトビデオを規制するとなると、表現について、どこで線引きをするかという非常に難しい問題が生じますし、そういった規制を、誰がどのような方法で判断するかも問題になります。現行の刑法では「わいせつ」表現が規制の対象になっており、また、児童ポルノも特別法で規制の対象になっていますが、「残虐」とか「不快」といった、曖昧な概念で刑事罰を科すことについては、憲法で保障された表現の自由との関係で、やはり慎重さが強く求められるでしょう。