被疑者ノート:証拠採用 調書の信用性否定 大阪地裁

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20041218k0000e040073000c.html

このニュース、町村教授のブログ

http://matimura.cocolog-nifty.com/matimulog/2004/12/note.html

でも取り上げられていました。
被疑者に、取り調べ状況等をノートに記録させる、という手法は、日弁連が推奨する前から、東京地検特捜部が捜査する身柄事件などで、被疑者・弁護人によって利用されていたと思います。
そういった被疑者作成のノートの内容が雑誌に掲載されて話題になったこともあります(例えば東京佐川急便事件)。
こういった被疑者ノートの難点は、公判で、「後日の改ざん、付け足しがあるのではないか」が必ず問題になるということでしょう。
一々、宅下げして確定日付をとるというのも現実的ではありませんし、本格的に後日へ向けた証拠化を考えるのであれば、弁護人ができるだけ連日接見して、被疑者の供述を聴取して供述メモを作成し、被疑者に内容を確認させて署名指印をとり、確定日付もとる、といった作業を併せて行っておいたほうが、より固いと言えます。
なお、町村教授は、

ところでこのノート、取調中にもメモすることが可能なのだろうか?

と述べられていますが、通常の身柄事件の取り調べで、被疑者による被疑者の都合のためのメモ作成、というものは認められていません。
取り調べ状況を明確にするため、被疑者・弁護人がこれほど苦労させられる現状に問題があるのではないか、という問題意識は、至って正当なものと言えるでしょう。