今川義元―自分の力量を以て国の法度を申付く

今川義元―自分の力量を以て...ミネルヴァ日本評伝選

NHKの歴史番組などでお馴染みの、小和田教授(静岡大学)の最新刊です。ぼちぼち読んでいるところです。
有名な「桶狭間の合戦」は、時代劇やドラマでは、谷底のようなところで休息している今川義元の本隊を、織田信長率いる軍勢が、「駆け下りる」状態で突撃してせん滅する、というシーンとして出てきますが、実際は、小さな丘の上のような場所にいる義元本隊を、信長隊が「駆け上る」状態で突撃、せん滅した、というのが真相のようです。この本でも指摘されていますが、今川義元尾張侵入についても、従来の「天下統一のための上洛」ではなく「尾張への勢力伸長」であると実証的に論じるなど、最新の研究成果が取り入れられており、なかなか読み応えがあります。
最近読んだ本の中では、

信長の戦争―『信長公記』に...講談社学術文庫

も、信頼性が高い資料である「信長公記」を基に、織田信長の戦歴を実証的にたどっており、興味深い内容でした。