顧客情報流出:ジャパネットたかた元社員2人、背任容疑で書類送検へ

http://www.mainichi-msn.co.jp/it/jiken/index.html

その点、情報流出によって大きな損害を被る会社にとっては、背任罪を適用する方が実態に近いといえるだろう。
 ただ、背任罪の構成要件に「任務に背く行為」があるため、会社外部の人間だけの行為では罪に問えないうえ、情報流出による損害を金額に換算する難しさもあり、課題が多いことも確かだ。
 知的財産をはじめ「情報」の重みが増す中で、それを盗む行為に網をかける法律がないこと自体が問題ともいえる。迅速な法整備が求められる。

情報漏えいについて、背任罪で有罪とした下級審判例は過去にあります。ただ、背任罪の要件を満たす必要がありますし(「他人の事務を処理する者」の行為である必要があるので、内部者の中でも、そのような地位にある者の行為でないと不可罰)、「任務違背行為」について、財産上の行為に限る(情報漏えいのような行為は含まない)とする考え方も有力で、背任罪説は、幅広い支持を集めるまでには至っていないと思います。
「情報窃盗」(現行の刑法上の窃盗罪は、「財物」を対象とした行為しか処罰していない)を処罰する規定を設けようとする動きも、経済産業省を中心にありますが、処罰が広範囲にわたりすぎ、また、「情報」や「窃取行為」の定義が極めて困難で、実現は難しいでしょう。
なかなか名案がないというのが現状です。