佐賀の連続殺人、自白上申書の証拠採用却下

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040916-00000014-yom-soci

 事件は有力な物証に乏しく、検察側が立証のよりどころとしてきた自白上申書が退けられた。

刑事訴訟法上、「任意取り調べの限界」として論じられている分野です。この決定についての最終的な評価は、より上級の裁判所の判断を待つ必要があると思いますが、
1 本件である覚せい剤取締法違反事件による起訴後の取り調べであり、どのような考え方に立っても取り調べ受任義務が存在しない、「任意」の取り調べであるにもかかわらず、そのことについて、被告人(被疑者)に対して十分理解させる措置が講じられていない点が厳しく批判されていること
2 (取り調べ日数の長さが、即、任意取り調べとしての性格を失わせるとは思われないものの)平均1日12時間35分もの長時間の取り調べや、取り調べ期間が24日間に及んだという外形的事実について、任意性を否定する事情として厳しく見られていること
3 取り調べ方法の執拗性や威圧的な方法についても、厳しく批判されていること
といった点が、今後の参考になると思います。
他の証拠関係がどうなっているかにもよりますが、有罪判決獲得はかなり難しい状況になっている、ということは言えるでしょう。