「ヒトラー 虚像の独裁者」

 

政治の世界で、最近、話題になっていたヒトラーですが、最近出た本書がアマゾンのオーディブルでも聴けるようになって、移動中にコツコツ聴いて聴き通しました。

ヒトラーの生い立ちからその死、さらに、戦後のヒトラーを巡る様々な取り上げられ方、議論のされ方に至るまで、かなり丁寧に書き込まれていて、これだけ詳細なヒトラー論を読んでことはなかっただけに、とても参考になるものを感じました。

第一次大戦後の追い込まれ苦境に立ったドイツにおいて、ポピュリズムの先駆者としてのし上がっていったヒトラー、ナチ党の軌跡は、今でも繰り返される可能性があるものですし、民主主義の病理とも言えるヒトラーやナチ党の台頭や破滅への道も、我々の前に常にあり得る選択肢として存在しているでしょう。その道を歩まないためにどうすべきかは、常に問われ続けているのだと、しみじみと感じさせられるものがありました。