http://article.okinawatimes.co.jp/article/2012-08-02_37134
http://article.okinawatimes.co.jp/article/2012-08-03_37200
http://article.okinawatimes.co.jp/article/2012-08-05_37319
ハーベル氏は、各専門分野から選ばれたメンバー8人と意見をまとめ、主要因をエンジントラブルと結論づけた。
だが、科学的に導かれた結論は、「軍の論理」の前であっけなく退けられた。「空軍上層部は改善策を協議する代わりに、事故原因を操縦士のミスとするよう圧力をかけてきた」とハーベル氏は明かす。
マイヤー氏は、「ホバリングが制限されるのは軍用輸送機として致命的な欠陥だ」とし、こうした事実が公になれば、同機の安全神話が崩れると指摘する。
さらに、製造元ボーイング社によるデータが性能を誇張しているため、それに基づいて作成されたパイロット用のフライトマニュアルが「人為的ミス」を誘発していると主張する。
日本政府は「(米側から)同機能は備わっていると聞いている」(森本敏防衛相)との姿勢を崩さないが、09年には米下院公聴会で、国防総省の国防分析研究所(IDA)のレックス・リボロ元主任分析官が「オスプレイにはオートローテーション能力が欠如している」と証言している。さらに同氏は「オスプレイにはエンジンが二つある。しかし、二つのエンジンを有する海兵隊ヘリの過去のデータは、3〜4年に1回、燃料の不純化でエンジンの出力が同時に停止している」と述べ、同機能の欠如は「致命的な欠陥」との認識を示している。
いろいろと指摘されている問題が、具体的かつわかりやすく紹介されている、良い記事ですね。さすがに、この問題に特に強い関心を持つ沖縄の地元紙だけある、と思いました。
米軍にとって、オスプレイが持つ高い能力とその危険性を天秤にかければ前者がはるかに優越し、多少の犠牲が出ても配備を急ぐという選択になっても、上記の記事で指摘されているような危険性を持つものが上空を飛びまわることについて、日本国民の多くが不安を感じ飛んでほしくないと考えるのは当然のことでしょう。安全保障上の必要性をことさら強調し安全性への懸念を杞憂として矮小化しようとする論調に、原子力発電は電力供給上は必要不可欠で安全性は高く事故が起きるはずがないとしてきた原発推進派のおごりや楽観が重なって見えるのは、おそらく私だけではないと思います。
日本政府は、米軍の論理や欺瞞に追随してその手先と化すのではなく、日本国民の多くが強い不安を感じ配備に反対していることを直視して、毅然とした態度でこの問題に臨むべきでしょう。