「津波の前必ず引き潮」 誤信が悲劇招く 岩手・大槌

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110501-00000002-khk-l03

複数の住民によると、高台を下る住民が目立ち始めたころ、港のすぐ沖の海面が大きく盛り上がった。勝山さんは信じられない現象に一瞬、言葉を失った。「津波だ」と叫んだ時には、既に濁流が町中心部に入り、自らの足元に迫った。
「なぜ潮が引かないのに津波が来たのかと、海を恨んだ。自宅に戻った人を呼び戻す機会がなかった。引き潮があれば、多くの人が
助かった」と勝山さんは嘆く。

東北大大学院災害制御研究センターの今村文彦教授は「引き潮がない津波もある。津波の前に必ず潮が引くという認識は正確ではない。親から聞いたり、自らが体験したりして誤信が定着していた」と指摘。
近隣の山田湾などで潮が大きく引いたことから、大槌湾でも実際は潮が引いていた可能性が高いと分析し、「湾の水深や形状から潮の引きが小さくなったことに加え、港の地盤が地震で沈下し、潮が引いたようには見えにくかったのではないか」と推測している。

津波の前には必ず引き潮がある、という、誤った知識が、助かったはずの犠牲を招く悲劇を生んだということでしょう。「引き潮があれば、多くの人が助かった」のではなく、「津波の前には必ず引き潮があるという誤った知識、思い込み」がなければ、多くの人が助かったという厳しい現実に、率直に目を向けなければならないと思います。
今後、大震災、大津波から引き出された教訓が、徐々に集積、整理されるはずですが、これだけインターネットが普及している中、参照しやすいようにインターネット上で提供し、誤った情報が独り歩きして上記のような悲劇を生まないようにしなければならないでしょう。
今後、何をしなければならないかということを深く考えさせる記事という印象を受けました。