終末期医療 手探り続く

http://mytown.asahi.com/toyama/news.php?k_id=17000000912220003

射水市民病院で末期がん患者ら7人が人工呼吸器を外され死亡した問題。殺人容疑で書類送検された主治医2人について、呼吸器外しを延命治療での一連の行為ととらえた地検は、嫌疑不十分の不起訴処分という結論を導き出した。事件は医療界に終末期医療のガイドラインづくりを促した。
21日午後3時。地検は不起訴処分の発表をした。
「呼吸器装着と取り外しは、延命治療とその中止に過ぎない。殺人の実行行為ではない」
地検は不起訴処分にあたり、家族が満足いくみとりのために、あえて呼吸器を装着して延命するケースもあることを勘案した。そのため、北海道や和歌山県で起きた呼吸器外し問題よりも踏み込んだ判断に至った。

この種の行為には、死期が迫った患者に対し苦痛を和らげ安らかな死を迎える等の目的で積極的に死期を早める措置を講じる場合(作為型)と、同様の目的から延命措置を中止するという場合(不作為型)があると思います。ケースによっては両者の混合型もあり得るでしょう。
殺人罪の成否については、明確な基準がない現状では、ケースバイケースで見て行くしかありませんが、上記の記事にあるような検察庁の見方(一連の行為を全体として捉え、延命治療の中止の時点だけでは見ない)は、今後の同種事案を検討する上で、先例として参考にされる可能性が高いという印象を受けます。
最近、最高裁が判断を示し、本ブログでも

模索続く終末期医療の現場 刑事責任…消えぬ不安
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20091210#1260403964

とコメントした事件でも指摘されていましたが、終末期医療において、やって良いこと、いけないことの基準が不明確なまま、人が次々と一度しかない人生の終末を迎えているという現状があり、やはり、方法はともかく基準を明確にするということが早期に求められているように思います。