『女性急変後30分生存』 押尾被告が供述

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009102402000052.html

捜査関係者によると、押尾被告は八月二日午後、六本木ヒルズに女性を呼び出し、二人で合成麻薬MDMAを服用。女性は午後六時ごろから体調不良を訴え、同六時五十分ごろには呼吸が停止した。
押尾被告は心臓マッサージなどの蘇生(そせい)措置を取ったが、同九時十九分に一一九番をしたのは、駆けつけた友人だった。
救急隊到着時、押尾被告はヒルズ内の別の部屋でMDMAを体内から抜く方法を模索していた。
捜査一課は、押尾被告の携帯電話の通話履歴を基に、同被告や関係者から事情聴取を重ね、本人立ち会いで現場検証も実施。女性の解剖結果を踏まえ、容体急変からの約三十分間の救命可能性について、専門家からの意見聴取も続けている。

六本木ヒルズ周辺には、日赤、慶応、慈恵医大等々、医療施設がいろいろとあって、早期に適切な医療措置が講じられれば、救命できたのではないかという印象を強く受けるものがありますね。違法な薬物を使用していて、119番通報がためらわれた可能性が高いように感じますが、そんなことを言っている場合ではなく、切迫した事態において、この被疑者の自分勝手で薄情な人間性が露呈してしまったのではないかという気がします。
ただ、刑事事件というのは、人間性を裁くものではなく、あくまで構成要件にあてはまり犯罪が成立するかを厳密に見るべきもので、関係者の供述だけでなく、上記の記事にあるような解剖結果や専門家の意見も踏まえた上で、保護義務があったと言えるか、生存に必要な保護をしなかったと評価できるか、そういった点の故意が認められるか、死亡との間の因果関係があるかといった諸点について、慎重な検討が行われる必要があります。
上記のような記事に接すると、事件として、そろそろ重大な局面が迫りつつあるのではないかという印象も受けるものがあります。