東京中央郵便局立て替え 歴史的建築、保存か高層化か

http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY200903070087.html

こうした、一部を保存・復元し上部に高層棟を配する、という方法について、中川理・京都工芸繊維大教授(近代建築史)は「日本火災横浜ビル(89年完成)あたりが早い例ではないか」と話す。中央郵便局の近くにも、銀行倶楽部(東京銀行協会ビルヂング、93年)や大手町野村ビル(94年)、日本工業倶楽部(03年)などの例がある。
ある程度の部分を残し登録文化財であり続ける工業倶楽部のようなケースがある一方、外壁の一部だけを残し、高層ビルの下層に薄皮のように張り付けた「腰巻き保存」(中川さん)のようなケースも。解体して建て替える歌舞伎座も、予想図を見る限り、似たデザインになっている。「欧米ではほとんど見たことがない」と中川さん。

私の記憶では、神戸地方裁判所本庁庁舎が改築された際、この手法がとられて、元の建物の上に、現代風のビルが「接ぎ木」された形になって、竣工当時はかなりの不評もあったと聞いています。最近は不評だという話を聞きませんが、人々の目が慣れてきたのでしょうか?
神戸地裁の改築後は、

http://kenchiqoo.net/archives/000380.html

でわかりますが、改めて見ると、賛否両論だろうな、という印象を受けますね。私は、どちらかというと「否」のほうです。
現代風の建物を歴史的建造物の上につなげてしまうと、ギリシア神話に出るミノタウロスのような奇怪さがどうしても残ってしまうので、そういったことは一切やめるか、上記の記事にあるような容積率の転売を、歴史的建造物の保存に伴い例外的に認め、転売益で必要な敷地、建物を確保できるようにするなど、工夫が必要でしょう。単に、保存を声高に叫ぶだけでは、こういった問題は解決できないと思います。