JR西日本、事故の重大性社員に伝わらず

http://www.asahi.com/national/update/0506/TKY200505060172.html?t

何が悪くて、どうすべきだったのか、ということを、冷静に整理してみる必要があるでしょう。
私は、以下の3点ではないかと感じています。

1 事故、特に多数の死傷者が出るような重大事故に対する社員の意識の低さ
 実際に個々の社員が救助活動等に参加できるかどうかはともかく、自分たちの会社が運行する列車が事故を起こし、多数の死傷者が出て、しかも、車内に取り残されている人々が多数いる、といった事態が生じた場合に、救助活動の最中に、社員がボーリング、ゴルフ、飲酒に興じているということになると、被害者の家族、近隣住民、国民一般の感情を害することになります(現状が正にそうですが)。公共交通機関に勤務する者として、そういった点に思いを致して行動する意識を、日頃から持っておくべきだったのではないかと思います。
2 JR西日本における事故の際の行動指針の整備が欠如していたこと
 事故はないに越したことはありませんが、不幸にして発生することがあり、それほど大きくない事故もあれば、今回ののように未曾有の大事故であることもあります。
 事故が起きた場合に、社員がどのように動き、また、すべきでないことは何か、といったことを、日頃から明確にしておけば、社員が迷ったり混乱したりすることなく、整然と動けたはずです。
 これは、事故現場に居合わせた社員の取るべき行動についても言えると思います。事故の状況を最もよく知りうる立場にあるわけですから、例えば、現場に残り、状況を報告しながら、可能な限り救助活動に加わる、上司も、予定の勤務については他の者に交代させ支援する、といったことを日頃から決めておくべきでした。
3 JR西日本における社内連絡体制の不備
 上記の朝日のニュースでも指摘されていますが、事故の内容、規模等が、迅速、的確に社員に伝わるという状況になかったようです。現在、マスコミのバッシングにあっている人々の中にも、情報が迅速、的確に伝わっていれば、別の行動をとったという人々も少なくないのではないかと推測します。
 今は、かなりの人が携帯電話を持っており、携帯電話でメールが見られる状態にありますから、携帯メールを使って、一斉に、刻々と情報を伝達するような体制を日頃から整備しておくといったことを検討すべきですし、それほど難しいことではないと思います。

カーネルさん、若返る試み 米KFC

http://www.asahi.com/business/update/0507/005.html?t

やや細面にして、肌のシワを減らして張りを持たせ、赤いエプロンを着せている。KFCの歴史をあまり知らない若者客にアピールするためという。

新しいほうも、なかなか良い感じです。実際のカーネル・サンダース氏は、

http://japan.kfc.co.jp/outline/index.html

で見られます。
私は、カーネル・サンダース氏の「見た目」よりも、氏が歩んだ人生や、上記のサイトで、

また「成功は多くの人と分かち合いたい」と、ビジネスを共にする人たちの状況に心を砕き、惜しみなく知識・技術を教え続けました。一方では、少しでも余裕ができると慈善活動を行い、孤児院の子供たちのために毎日アイスクリームをつくったり、肢体不自由児のための基金をつくったりしました。

と紹介されている、氏の人格、人間性に、若者が学んでほしいと思います。

誤認逮捕、起訴問題 『裏付け捜査足りず』 地検が調査結果発表

http://www.tokyo-np.co.jp/00/tcg/20050507/lcl_____tcg_____001.shtml

担当検察官は、男性に重い知的障害があることを把握しつつ、他人に迎合しやすいという点への配慮が足りず、男性の“自白”を「軽信した」と指摘。赤いサングラスなど一部の物証を押収したことなどから、それ以上の裏付け捜査が十分に行われなかったという。

こういった事態を招いたことは、当然、批判されるべきですし、また、批判するのは、語弊を恐れずに言えば、たやすいことです。
ただ、私のささやかな経験に照らしても、自白している被疑者について、疑問を抱き、問題意識を持って調べ、徹底した裏付け捜査を行う、ということは、なかなか難しい場合が多いのが実情です。特に、最近は犯罪の増加に伴って、処理すべき事件数も以前より格段に増えており、捜査機関にかかっている負担も大きく、その中で、こういった問題のある事件を的確に見出して起訴を回避する、ということは、口で言うのは簡単ですが、実際には、なかなか難しいものだと感じます。
こういった過誤を避けるためには、やはり取調状況の録画・録音ということを避けては通れないのではないか、というのが、現在の私の偽らざる実感ですね。

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20050227#1109433675