神谷昇・衆院議員 選挙前に地元市議らに現金

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171124-00010003-asahibcv-l27

地元市議によりますと、衆議院解散が決まった直後の9月下旬ごろ、神谷議員本人が市役所を訪れ、自民党の市議ら14人に10万円〜20万円の現金の入った封筒を配りましたが、市議らは返したということです。

公職選挙法では、

(買収及び利害誘導罪)
第二百二十一条 次の各号に掲げる行為をした者は、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
 一 当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて選挙人又は選挙運動者に対し金銭、物品その他の財産上の利益若しくは公私の職務の供与、その供与の申込み若しくは約束をし又は供応接待、その申込み若しくは約束をしたとき。
(以下略)

とされていて、上記の件でも、「当選を得若しくは得しめ」る目的、選挙人または選挙運動者に対するものか(投票買収か運動買収か)が問題となる余地があります。
現金の配布時期が解散が決まった直後であり、目的、趣旨として、公選法が禁じるものに該当する可能性はあるように思われます。要は、実質的に、誰に対する何のための現金だったかということでしょう。時期的に、純然たる政治活動のためのもので選挙は無関係でしたとは考えにくいというのが素朴な国民感情でしょうか。
収賄の際に、政治資金収支報告書に記載があるから賄賂ではない、という主張が出ることがあり、刑事実務では、中身がどうかにより実質的に判断され、政治資金収支報告書に記載があるから賄賂ではないと形式的には判断されません。本件のようなケースでも、捜査の対象になることがあれば、政治団体への寄付だから公選法の買収にならない、と形式的に判断されるのではなく、実質的な金の趣旨、目的で判断されることになるでしょう。今後の展開が注目されます。