「取り調べは原則黙秘」…死刑弁護の手引が波紋

http://www.yomiuri.co.jp/national/20151019-OYT1T50026.html

裁判官と裁判員に死刑判決を回避させることを「唯一最大の目標」と明記。被害者参加については、「被害者による質問で法廷が感情に支配され、証拠に基づかない質問がされる可能性がある」として、被告が起訴事実を否認していれば「参加に反対すべきだ」と記載した。
捜査段階の取り調べでは、「早期に自白しても死刑回避の保証はなく、かえって供述内容が量刑を死刑に押しやる」として「黙秘権の行使が原則」と指摘した。マスコミ対応についても、「報道機関は言い分を正確に記事にするとは限らない」として「弁護人は公判段階まで取材に応じてはならない」「被告に、報道機関が面会を求めてきても一切応じないよう説得すべきだ」と求めた。

事件というものは、同じものは2つとなく(似た事件はありますが)、個々の事件の性格、特徴を踏まえて、慎重に弁護方針を決め実行する必要があります。被害者参加に反対することで被害者や裁判員から強いネガティブな印象を持たれる可能性はどうか、証拠で外堀、内堀も埋められたような状態で無理な黙秘、否認を続けるデメリットはどうか、捜査機関から捜査機関に都合良く情報がリークされる状態で、独りよがりなマスコミ不信から情報を出さないことでかえって不利にならないか、といったことが主体的に検討できない弁護士が、こういった手引に依存することで、硬直的、画一的な、被疑者、被告人に取り返しがつかない不利益を被らせる刑事弁護が招来される危険性はあるでしょう。
あくまで参考にとどめ、金科玉条のように依存しすぎるべきではないのではないかという印象を受けます。