5月23日、24日に、東京の専修大学で開催され、私は、24日に南紀白浜のサイバー犯罪シンポジウムから戻ってきたため、途中から、一部に参加することとなりました。
1日目の午後に、分科会の中の「監視型捜査とその規律」に途中から出ましたが、こういった捜査手法は、本ブログでも
捜査対象車にGPS端末 警察が無断で設置、各地で発覚
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20130818#1376813044
などと取り上げてコメントしたこともあり、私自身、関心を持っていることもあって、紹介されていたアメリカ、フランスでの法的規律やこの問題に対する研究者による問題提起は、この問題を今後も考えるにあたり参考になるものでした。刑事訴訟法が想定していなかった捜査手法であり、従来の強制捜査、任意捜査の枠組みでは適切な規律が難しい分野で、立法による解決が必要ではないかという印象を改めて強く持ちつつも、当面の判例による線引きで何とかならないだろうかということも強く感じました。
2日目の午後には、ワークショップの中の「司法取引」に参加しましたが、これも、ちょうど国会で司法取引制度を導入する改正案が審議中ということもあって、また、私自身も以前から関心を持って本ブログでも
司法取引導入 冤罪を生む温床にするな
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20150509#p2
などと取り上げてコメントしたこともあり、興味深く、様々なやり取りに耳を傾けていました。今後の日本における問題として、特に、捜査段階では被疑者、弁護人が接することができる情報に、捜査機関と比べて格段の差異があり、そういった大きな情報格差の中で「取引」に臨む、臨まざるを得ない、その困難さに改めて思いを致すものがありました。おそらく、限られた情報を最大限に活用しつつ、捜査機関の思惑、手の内を読み取る弁護人の力量が大きく問われ、事態を左右することになる可能性が高く、今までとは異なる場面、役割がクローズアップされることになるものと思われました。
今年も、なかなか参考になり役立つ情報が得られた刑法学会でした。