http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/582784.html
空知管内南幌町の自宅で祖母と母親を刺殺したとして、殺人の非行内容で家裁送致された高校2年の三女(17)の同級生とその保護者が26日、将来の社会復帰に支障がないよう三女の処遇に配慮を求める嘆願書と新たに集めた8120人分の署名を札幌家裁に提出した。
嘆願書は「彼女がしたことは許されないが、大人と同じ裁判を受けさせるのは相当ではない」として、家裁での非公開審理にとどめるよう求めている。同級生らは11月にも同じ嘆願書と約1万人分の署名を札幌地検に提出していた。
この事件、私は報道でしか知りませんし、報道で伝えられることには限界もあるので、ああだこうだと決めつけるつもりもないのですが、いろいろと聞いたり読んだりしていると、この少女が置かれていた環境の過酷さ、一種の奴隷的下僕状態には常軌を逸したものがあったようで、実に辛かっただろうと同情する気持ちが起きるとともに、そういった背景が犯行を正当化するものではないとしても、処遇決定にあたっては、特に少年としての可塑性にも、背景を加味しつつ考慮する必要性が大きいのではないかと思われるものがあります。
刑務所での服役は、改善更生を目指すものではありますが応報の性格が色濃く出るもので、少年院での家庭的な雰囲気の中で教官の指導を受ける環境とは著しく異なるものがあります。犯した罪の重さからは異例のことではあっても、保護処分として少年院で処遇することが真剣に検討されなければならない、そういう事件であろうという気が強くします。札幌家裁には、事件を形式的に捉えるのではなく、これだけ多くの人々が真剣に関心を持っている、それは何故なのかという積極的な問題意識を持ちつつ取り組んでもらいたいものです。