業界驚愕!『宇宙戦艦ヤマト2199』の新ビジネスモデルと市場開拓

http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/130414/wlf13041412000012-n1.htm

これまでは、まず漫画誌などでの連載で認知度を高めてからテレビアニメ化し“テレビ効果”でコミックスなどの売り上げを増やしつつ、映画化によってDVDを売るという流れでした。
ところが今回のリメイク版ヤマトは、いきなり映画館で上映し、それを順次DVD化、最後にテレビアニメ化するというこれまでと真逆の流れです。しかし、この挑戦的な逆転の発想が大当たりしたのです。

未知の世界を旅しながら敵を倒し勝利を収めるという冒険譚(たん)はハリウッド映画をはじめ、世界中に掃いて捨てるほどありますが、出発点に帰ってくることで勝利が成立するというメジャーな冒険物語はヤマト以外、聞いたことがありません。そしてこれは、大昔、遣唐使が活躍した日本ならではの発想だと思います。

映画版の第7章(最終章)の上映と、テレビアニメの完結(第26話)がちょうど重なることになりそうで、今秋には“ヤマト祭”が起きそうな気配です。

この売り方、展開は、今までにないものだけに、新鮮で、かつ、うまく考えたものだなと感心しますね。映画やDVDが先行することで、話題になり、話題になればテレビで見てみようという人も増えるでしょうし、テレビで見ておもしろく、映画も見てみようとか、DVDも買ってみようという人も出てくるでしょう。ネット配信でも見られるようですから、そちらでも、という流れも期待できます。ばらばらと、順次、五月雨式に出して行くのではなく、相前後させつつ様々な媒体で一気に投入するというこの手法は、今後の大きな流れの1つになるかもしれません。私も、先週からテレビ放映をちらちら見ていて、おもしろそうなので、今後、DVDは買うかもしれないな、と感じています。
遣唐使とだぶらせる見方はおもしろいと思いますが、それだけでなく、かつての日本海軍が誇った戦艦大和に対して日本人が今なお抱く憧憬や哀惜の念が今なお強く、戦局挽回を企図しつつ沖縄へ到達する前に散った大和の志が、アニメの世界とはいえ、滅亡の危機に瀕した地球を救うため宇宙へと旅立ち困難を乗り越えて進む宇宙戦艦ヤマトの姿に託されていると感じるからではないか、と私は思っています。
まだ2話しか見ていませんが、かなりの完成度と感じられ、今後もできるだけ楽しみたいと考えています。