弁護士選びと法律の新常識 安定・高収入も今や昔の弁護士業界 あの手この手を使い需要開拓を図る

http://diamond.jp/articles/-/28986

弁護士の急増が受任競争の激化をもたらし、総体的な収入減と、食える弁護士と食えない弁護士の2極化を招いているのだ。

かつての弁護士は、「一見の客は取らない」とさえいわれ、敷居も頭も費用も高い「3高」だった。それで十分にやっていけたのだが、今やそのような状況にはない。

弁護士の世界の現状について、割りとよくまとまった、わかりやすい記事ですね。
私は、最初から弁護士の道に入ったわけではなく、最初の11年余りは検事で、反対側から弁護士を見ていたので、元々、弁護士の在り方に対する評価が辛い面があります。たいした仕事もしていないのに、不必要に大きくて豪華な事務所で、馬鹿高い報酬を取って無駄な経費をかけ、美酒美食、遊興、物見遊山やゴルフ等にうつつを抜かしているような、従来ありがちだった弁護士の在り方は、なくなって当然、という気はしますね。ただ、現状では、弁護士の置かれた環境が急速に変化し、変化の大波の中で、国民に対して適切な費用で適正なサービスを提供する、そのための環境、基盤自体が大きく揺らいできつつあるのではないか、と危惧されるものがあり、今後が憂慮されます。
日弁連としても、弁護士が食えなくなるとか、新規登録弁護士の就職する事務所がないとか、そういった、目の前にある困り事への対応をすることも、やらざるを得ないことではあると思いますが、弁護士という存在が、社会の中でその機能を十分に果たし、国民に対して適切な費用で適正なサービスを提供するためには何が必要なのか、そのためにはどういった環境、基盤が存在しなければならないのか、ということを、根本的に分析、検討しないと、国民から、自分達が困っているから騒いでいるだけの団体、としか見てもらえないでしょう。司法試験合格者数や法曹養成制度の問題も、そういった観点で見る必要があるのではないかと思います。
私自身は、所詮、しがない弁護士ですから、不必要に大きくて豪華な事務所で馬鹿高い報酬を取って無駄な経費をかけ美酒美食、遊興、物見遊山やゴルフ(ゴルフはやりますがあくまで健康のためが第一です)等にうつつを抜かしているような弁護士像とは無縁で、今後も、こつこつ、とぼとぼと我が道を歩むだけです。