放火の元田園調布消防団員に懲役30年判決…9件2人死亡

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080625-00000025-yom-soci

被告は1995年12月、アパート敷地内の物置にあったほうきにライターで火をつけ、木造2階建て建物を全焼させた。寝たきりだった男性(当時34歳)と男性の父親(同69歳)が焼死。2006年12月〜07年6月にも、民家に火をつけるなどした。

私が、昔、検察庁にいた当時に捜査、起訴した連続放火事件では、その中の1件で、深夜でもあったため、室内にいた2名が逃げ出せずに焼死し、そのうちの1名は、2階の窓から半身を乗り出した状態で焼死していて、その事件の決裁の際、次席検事が、遺体の写真を見て、「これは本当に苦しかっただろうなあ」と、しみじみと言っていたことが思い出されます。
重大な結果が生じていたため、放火だけでなく殺人罪の適用も視野に入れて捜査しましたが、この種の事件で、殺人罪まで適用している事件はそれほど多くなく、その点でのハードルの高さを思い知らされた事件でもありました。
種々の事情を踏まえた上での、懲役30年という判決とは思いますが、遺族等の関係者にしてみれば、あれだけの重大な結果を生じさせているのに、と納得できないものもあるでしょう。