我が闘争

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我が闘争

電子版でダウンロードして、通しで読んでいなかったので、一気に読んで読了しました。題名が、やや引いてしまう感じのものでしたが、内容は至って堅実、率直なもので、堀江氏の前半生(服役まで)がよくわかるものになっていると思います。
昭和の終わりから平成の初め頃までの日本(バブル崩壊の頃まで、と言ってよいかもしれません)での成功モデルは、高い学歴を得て大企業に入ったり官僚になったりして、日本の支配層(伝統的かつ固定的な)に入ることで、いわゆる「勝ち組」になるというものであったと思います。それが、バブル崩壊後の混乱や既成秩序の崩壊、変化の中で、従来の枠組みから外れた、新たな成功者が出てきた面があり(それは特にITの世界で顕著でした)、その典型例が堀江氏やそれに連なる人々であったように思います。ただ、「既成秩序対新たな成功者」という図式で言えば、前者が後者を異端視し排除しようとするということにもなった面があり、ライブドア事件の頃の日本は、既成秩序に慣れ親しんできた人々と新たな成功者を待望、歓迎する人々が日本の社会の中で相互に不信感を持ちつつ存在していた、ちょうど端境期であったような気がします。そのような時代背景も念頭に置きつつ本書を読んでみると、さらに深みが出てくるような印象を受けました。
起業(特にIT関係で)を考えている人にとって、堀江氏の歩みには参考になる点も多いと思われ、そういう意味でも参考になる一冊だと思いました。

2015年04月02日のツイート

超小型で3万円のデスクトップChromeboxは乗り換え可能か?

http://pc.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/020900007/032600003/?P=1

使ってみてすぐ実感できるのは高速性能だ。
OSもハードウエアもシンプルに徹することで、快適に動作する。
筆者は仕事をするうえでどうしても使いたいアプリがいくつかあるので、いますぐメインマシンに置き換えるのは難しいが、セカンドマシンとしてぜひ欲しいと思った。
アプリのWebアプリ化は今後どんどん進展するだろうから、乗り換えの時期は意外に近いかもしれない。

ChromePCの特徴がわかりやすく紹介された良記事ですね。私も、数年前に、初期のChromePC(ノート)を導入して使ってみたことがあるのですが、当時はまだハードの性能が今ひとつでした。その後の進化には目覚ましいものがあり、安価でもありますから、これで売れないほうがおかしい、という気がします。
WindowsやMSオフィスに特に思い入れがなく、Googleのサービスに慣れ親しんでいてネットが快適に使えれば十分、という人には、インターネット環境が良好であることを前提に(記事にもあるようにネットに大きく依存しているので)ChromePCがおすすめ、ということになると思いますし、上記のように、セカンドマシンとして活用するのも便利でしょう。Googleアカウントを個別に持って切り替えながら家族で共用する1台にするという手もあると思います。春になり、新しいPCを買いたいと考えている人にとって有力な選択肢になる、そういう印象を受けました。

代用監獄認めず 大阪地裁堺支部「可視化なく、警察署で拘束必要ない」

http://digital.asahi.com/articles/DA3S11684924.html

地裁堺支部の長瀬敬昭裁判長は同十日付の決定で、暴言の事実は認めなかった一方で「弁護人が問題を主張する南堺署で拘束し続ける捜査上の必要性はない。申し入れにもかかわらず、取り調べの録音・録画も全くされていない」と指摘。簡裁決定を取り消し、収容先を大阪拘置所に指定した。

従来、捜査中の身柄をどこに置くべきかについては諸説の対立があり、捜査の必要から代用監獄(新法では「代用刑事施設」と言うようですが、わかりやすいように、ここでは従来からの用語を使います)が原則とするもの、「代用」はあくまで例外であるとして拘置所が原則であるとするものがある中で、裁判所は、裁判所(裁判官)の合理的な裁量により決すべきだとする判断を示してきた経緯があります。捜査の必要とともに、代用監獄に身柄を置くことの弊害も併せ考慮されてきていて、例えば、警察官が被害にあったような事件では報復等の恐れがあることから捜査中から身柄を拘置所に置くといった判断がされることもありました。
本件も、そうした流れの中で位置づけられることになると思われますが、取調べの可視化が全面的ではないにせよ法制化される流れの中で、裁判所が、問題のある(その可能性があるものも含め)取調べについて、可視化がされていないことや不十分なことを、合理的裁量の中での重要な要素と位置づけつつあることを示すものではないかと思われ、この流れがさらに進むようであれば、取調べの可視化拡大を後押しすることへつながるかもしれません。今後の動きを注視する必要があると思います。