スティーブ・ジョブズ「第2章 おかしなふたり ふたりのスティーブ」

スティーブ・ジョブズ I

スティーブ・ジョブズ I

スティーブ・ジョブズ II

スティーブ・ジョブズ II

第2章では、スティーブ・ジョブズスティーブ・ウォズニアックという、今や世界的に著名な「ふたりのスティーブ」が出会うことになります。ジョブズが通っていたハイスクールの在校生を通じて知り合いますが、会った当初から、歩道に座り込んで、様々なことを延々と話し合った、とのことで、よほど気が合ったのだろう、ということがよくわかりました。
印象深いのは、2人のいたずら好きで、それが昂じて、電話のただがけができるブルーボックスという装置を開発し、小金を儲ける、ということまでやってしまいます。いたずら自体は、決して誉められたことではありませんが(良い子の皆さんは真似をしないようにしましょう)、旺盛な好奇心、そうした気持ちに導かれた研究心、熱心さといったことは、その後のAppleの成功へとつながったもので、そういった行動を、単に問題だと封殺するのではなく、うまく生かすことの重要性ということも感じさせられました。
天才的な技術者で無欲なウォズニアック、ウォズニアックが生み出したものを使いやすくまとめうまく売って利益に結びつけられるジョブズ、という絶妙な組み合わせが生み出されたのも、偶然の出会いによるもので、運命に導かれた出会いの神秘さといったことも感じました。

2011年11月02日のツイート

第二次大戦と差別、「2つの戦争」闘った日系人に勲章 米議会

http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2838736/8023058

連邦議会議事堂で行われた式典には、車椅子姿など高齢の日系の元軍人、数百人が出席。ジョン・ベイナー(John Boehner)下院議長は「彼らが示した勇気、勇敢さ、国への献身に対し、米国は永遠に恩義を負っている。彼らは、母国では差別を、国外ではファシズムを相手に、2つの戦場を闘った」と日系人元兵士らを称えた。
ナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)下院院内総務も、日系人兵士らはファシズムと戦っただけでなく「米国の理念たる平等」を擁護し、国への忠誠と愛を示すために苦渋を乗り越えて立ち上がったと賛美した。

元第442連隊のダニエル・イノウエ(Daniel Inouye)上院議員は、「ここまでの道のりは長かったが、栄誉ある道でもある。今は墓に眠る戦友たちも、この日を喜ばしく思っていることだろう」と述べた。
同じく欧州戦線で戦った第100歩兵大隊や、米軍情報機関で日本語の翻訳や捕虜の通訳などを担当した日系人約6000人にも「議会金メダル」が授与された。

下院議長や下院院内総務から、最大級の賛辞が贈られてますが、彼らが成し遂げたことは、それに見合った立派なもので、彼らの活躍により、戦後、米国社会における日系人に対する見方が大きく変わった、ということも含め、その功績には多大なものがあるでしょう。日本人や日本国にとっても、日本にルーツを持つ彼らの活躍は、誇りであり、大きく祝福すべきことではないかと思います。
日米開戦後、強制収容所に収容され、そこで絶望し、泣いたままいれば、その後の展開はなく、人は、絶望の中から勇気を持って立ち上がり、闘うべき時もある、死すべき時もあれば生きるべき時もある、ということを、しみじみと感じます。イノウエ上院議員が語るように、志半ばで倒れた日系人将兵も、この晴れの日を天空から眺め、皆で手を取り合い喜んでいることでしょう。

裁判員裁判やり直し?判決直前に被害者死亡

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111103-OYT1T00348.htm?from=tw

山形地裁で10月にあった傷害罪に問われた男の公判で、判決6日前に入院中の被害者が死亡し、地裁が「訴因変更の可能性がある」として、判決期日を延期する異例の事態となっていることが2日、関係者への取材でわかった。

裁判員裁判の導入前は、傷害致死罪に訴因変更されれば、裁判官らの更新手続きを経た後、「致死」にかかわる部分の立証などが行われるのが一般的だった。
しかし、裁判員に分かりやすく立証することが求められる裁判員裁判になれば、書面での引き継ぎは困難で、公判を最初からやり直す可能性もあるとみられる。
山形地裁総務課は「前例がない状況で、裁判官が今後、どのような形で判断をするのかは、全く分からない」としている。

以前に、ある方から、こういった事態が生じた場合はどういった取り扱いになるかという質問を受け、検討してみたことがあるのですが、訴因変更により裁判員裁判対象事件になった以上、その時点以降は、裁判員を選任し、裁判員を含めた合議体で審理を行う、ということにはならざるを得ないでしょう。
問題は、そうなってしまった場合の審理方法ですが、刑事訴訟法316条が、

地方裁判所において1人の裁判官のした訴訟手続は、被告事件が合議体で審判すべきものであつた場合にも、その効力を失わない。

としていることから、少なくとも同条は準用され、従前の手続の効力を維持した上で、更に審理を行う、ということになるのではないかと思います。
そうなると、審理の方法としては、刑事訴訟法315条が、ここでも少なくとも準用されて、公判手続を更新する、ということになると思います。更新の具体的方法は、刑事訴訟規則213条の2に定められていて、

公判手続を更新するには、次の例による。
一 裁判長は、まず、検察官に起訴状(起訴状訂正書又は訴因若しくは罰条を追加若しくは変更する書面を含む。)に基いて公訴事実の要旨を陳述させなければならない。但し、被告人及び弁護人に異議がないときは、その陳述の全部又は一部をさせないことができる。
二 裁判長は、前号の手続が終つた後、被告人及び弁護人に対し、被告事件について陳述する機会を与えなければならない。
三 更新前の公判期日における被告人若しくは被告人以外の者の供述を録取した書面又は更新前の公判期日における裁判所の検証の結果を記載した書面並びに更新前の公判期日において取り調べた書面又は物については、職権で証拠書類又は証拠物として取り調べなければならない。但し、裁判所は、証拠とすることができないと認める書面又は物及び証拠とするのを相当でないと認め且つ訴訟関係人が取り調べないことに異議のない書面又は物については、これを取り調べない旨の決定をしなければならない。
四 裁判長は、前号本文に掲げる書面又は物を取り調べる場合において訴訟関係人が同意したときは、その全部若しくは一部を朗読し又は示すことに代えて、相当と認める方法でこれを取り調べることができる。
五 裁判長は、取り調べた各個の証拠について訴訟関係人の意見及び弁解を聴かなければならない。

といった方法によりますが、裁判員が審理に加わっていることから、その点を十分考慮した更新手続を行う、ということになるのではないかと思います。訴因変更後の訴因に対する被告人、弁護人の認否によっては、期日間整理手続を行う必要が生じる可能性もあります。
今後、訴因変更が行われた場合に、具体的にどういった審理が行われることになるのか、注目されるところです。

改訂版 プロバイダ責任制限法

改訂版 プロバイダ責任制限法

改訂版 プロバイダ責任制限法

初版が出てからかなり経ちますが、ようやく改訂版が出た、という感じですね。
ガイドラインや、関連する裁判例の紹介など、初版よりかなり分厚くなっていて、ネット上でいちいち検索するのも面倒なので、この分野に関係する可能性がある人は、持っていて損はないと思います。私は、事務所備え付け用として1冊買いました。
特にお勧めまではしませんが、紹介しておきます。

基本判例に学ぶ刑法各論

基本判例に学ぶ刑法各論

基本判例に学ぶ刑法各論

東大の山口先生による

基本判例に学ぶ刑法総論

基本判例に学ぶ刑法総論

に続くものですが、基本判例に、山口先生による簡潔かつポイントを突いたコメントが付されていて、学生だけでなく、私のような実務家が読んでも、示唆に富み勉強になります。司法試験受験生は、従来、判例百選

刑法判例百選1総論(第6版) 別冊ジュリスト189

刑法判例百選1総論(第6版) 別冊ジュリスト189

刑法判例百選2各論(第6版) 別冊シ゛ュリスト190 (別冊ジュリスト)

刑法判例百選2各論(第6版) 別冊シ゛ュリスト190 (別冊ジュリスト)

を使う場合が多いと思いますが、百選は、解説が玉石混淆なので、山口先生による上記の2冊で着実に判例を押さえて行く、という勉強方法も有益でしょう。
私は、現在、刑事訴訟法の講義は持っていますが刑法の講義は持っていませんが、今後、刑法の講義を担当することがある場合は、山口先生による、

刑法 第2版

刑法 第2版

と上記の「基本判例」2冊を使いつつ講義したいと考えています。また、自分が初学者として、今、学ぶなら、多分、これらを使って学んで行くでしょう。いずれも、山口説を前面に出すことを抑えつつ、客観的でわかりやすい説明が目指されていて、刑法にとっつきにくさを感じる人には手に取りやすいと思います。