「源頼朝の真像」

 

かなり前に買って、読みたいと思いつつ読めずにいたのですが、そのうち、紙の本がどこに行ったかわからなくなり、Kindleで読めるようになっていたので、Kindleで通読しました。

古い世代では、源頼朝像というと、神護寺蔵の端正な感じの肖像画が思い浮かびますが、現在では、あれは別人のものという説が有力になっているようで、本書では、甲斐善光寺にある源頼朝像こそ、その死後間もなく作成されたもので面影を反映していると、調査や思考により論証されています。ともに納められていた源頼家像(これは既に失われている)、源実朝像(現存)とともに、北条政子が作らせ納められていたという著者の主張、推論には説得力を感じました。

なかなか読めずにいたものが読め、また、内容も興味深いもので、良い読書となりました。