宮台真司氏「似たような事件は必ず繰り返される」松本死刑囚を知らない若い世代が知るべきオウム真理教

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180708-00010003-abema-soci&p=1

そこには今の首相官邸周辺とまったく同じ、権力者に気に入られるための忖度競争があったはずだし、これは帝国陸海軍や日大アメフト部のメカニズムとも一緒。僕たちがよく知っている問題と同じ構造は今も繰り返されている。このことが多くの人に理解されないまま事件が忘れ去られるのであれば、同じことは再び繰り返されるだろうし、繰り返すことは非常に容易だ」(宮台氏)。

私は、平成7年から平成8年にかけて、東京地検公安部の検事として、日夜、かなりの数のオウム真理教信者を取り調べました。教団の言うことを鵜呑みにし、真相に目を向けようとしない彼ら、彼女らに対して、粘り強く、様々な働きかけ、説得を行っていた日々が思い出されますし、人の弱さ、洗脳された際の脱け出しにくさといったことを、そういう経験に照らして強く感じるものがあります。
結局は、個々が大いに学んで強くあるしかないのですが、現実的には、それができない人が多数存在しています。宗教という、そういうものではなくても、カルト宗教にはまって洗脳されるような状況は、社会の各所で容易に起きる、その危険性は今後も存在し続けるでしょう。
その意味で、オウム真理教事件には、長く語り伝えられるべき、多くの教訓を含んでいるということを、改めてしみじみ感じます。