日本の最大野党が蓮舫氏を新党首に選出 女性で父親は台湾出身

http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-37382004

蓮舫氏によると、放棄の手続きは、大使館にあたる台北駐日経済文化代表処で中国語で行われた。言葉が分からないため、手続きが済んだのか確認のしようがなかったという説明だった。
しかし実際には、手続きは済んでいなかった。台湾側の公式記録で、蓮舫氏が依然として台湾籍を持っていることが確認された。
蓮舫氏はそれを受けて謝罪し、台湾籍の除籍を申請した。しかし、この問題は蓮舫氏の今後の政治キャリアについて回ることだろう。

私は、今回の問題には2つの側面があって、切り分けて論じる必要があると考えています。
1つは、日本の国会議員であり、再び政権を狙おうとしている野党第1党の党首候補にまで(その後、党首になりましたが)なるような人物ですから、日本国籍を有し他国の国籍は有さず日本の国益をきちんと優先させて(他国をないがしろにするという意味ではなく主権国家が並立する現状の下でということです)動けることを、きちんと確立しておくべきであっただろうということです。そこを曖昧なままにしていたことは批判されてもやむを得ないでしょう。例えば、日本と台湾が、厳しく利害が対立するような局面になった場合に、事態に臨む政治家が両国の国籍がありますでは、どちらを向いてハンドリングしているのか疑念を持たれてしまいかねません。
もう1つは、伝統的な日本人像とは異なる、様々な日本人が、今や当たり前のように存在していて、そういった多様性を認めない、偏狭な民族主義的なものが、今回の騒動の背景としてあったのではないかということです。伝統的に日本人と観念されてきた人々も、実な日本列島で孤立、独立してきたわけではなく、古来から、大陸や朝鮮半島からの渡来人と交流しつつ徐々に「日本人」になったもので、今上天皇が、以前に、ご自身にはそのような血統が入っている旨述べられていたのも、そういう歴史を踏まえた上でのことでした。今や、全世界の人々との交流の中で、多様な日本人が出現していること、多様性というものを認め偏狭な民族主義を克服していかないと、世界に貢献し尊敬される日本にはなれないと思います。
そういったことを、今の私は感じています。