“判決は短く分かりやすくすべき”

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130106/k10014610821000.html

検討結果は「裁判員裁判では争点を絞って審理を行い、法廷で直接見聞きしたことで意見を交わすのだから、判決もこれまでより短く、分かりやすくできるはずだ」と指摘しています。
最高裁はこの検討結果を全国の裁判所に配付していて、今後の参考にしてもらうことにしています。

こうした流れになった場合、懸念されるのは、判決の内容を検証する際(特に上訴審において)、なぜそのような事実認定、量刑になったのか、従来は詳細な説明がされていたのが、簡潔になることによりわかりにくくなる、ということでしょうね。
ただ、そもそも、裁判員裁判において、特に裁判員に、そうした詳細な説明をするだけの深く徹底した検討を求めることに無理があり、本質的に、従来のような詳細な説明を付することはできない、というのが実情でしょう。上訴審としては、こういった面でも、1審の裁判員裁判の中身に深く切り込んで行くことは困難になり、外形的に、特に著しく不合理ではないか、といった検証にとどまらざるを得ない、ということになると思います。長く、刑事裁判の関係者の間では、1審強化、1審重視、ということが言われてきましたが、裁判員裁判は、素人相手の一発勝負、上訴審ではよほどのことがない限りひっくり返せない裁判、ということになっている、ということでしょう。