ベルギー:政権崩壊「分裂」の危機 仏蘭言語対立先鋭化で

http://mainichi.jp/select/world/news/20100524k0000m030082000c.html

1830年にオランダから独立したベルギーでは長年、フランス語が支配階級の言語だった。だが、次第にオランダ語系住民が自治権要求を強め、20世紀前半から後半にかけて、国内をフランス語圏とオランダ語圏に分ける「言語境界線」が定められた。

かつて石炭業で栄えたフランス語圏だが、1960年代以降、斜陽化し、入れ替わりにオランダ語圏が自動車、化学工業などでベルギー経済のけん引車役を果たすようになった。主客逆転で自信を深めたオランダ語圏の政党や住民は連邦政府から地域政府への一層の権限移譲を求めている。

国家というものが統合されて行く上で、国民がどこにアイデンティティを求めるかということは、ベルギーのような国ではなかなか困難なのだろうという印象を受けるものがありますね。「言語」が軸になっているようですが、このままでは1つの国家に統合されている意味がないということになりかねないでしょう。
逆に言えば、それだけ「国」というものにはこだわる必要がないということにもなり、EUが成功した理由もその辺にあるのかもしれないという印象も受けました。