皇太子さま、48歳に 参内「心掛けて参りたい」

http://www.asahi.com/national/update/0223/TKY200802220342.html

皇太子家を支える東宮大夫を飛び越えて、宮内庁の長官が皇太子さまと直接話し合うこと自体が異例だ。それでも、皇太子さまには事態の深刻さが伝わらなかった。天皇陛下の心痛や危機感に思いが届かない様子だったとみられる。異例の「苦言」会見に長官が踏み切ったのは、思いあまってのことだったようだ。

皇室であっても、親族、家族内部には、通常の一般人と変わらないような、様々な行き違い、確執が生じることはあるでしょう。そういったことについて、宮内庁長官が心を配り、必要に応じ意見を述べる、といったことは、その職責上、当然のことですが、自分が思い描いているような方向に進んでいないからといって、マスコミ向けに泣き言を言い、その力を借りて事態を変えよう、などということは、輔弼の任にあるものとして、やってはいけないことであり、それをやってしまった時点で宮内庁長官という職にとどまるべきではない、と思います。宮内庁長官に会ったことはありませんが、ニュースで見ると、見るからに小心者の小役人、という印象であり、小心者の小役人の浅慮故の失態、と思います。
余談ですが、記事の中で臣下の君主に対する在り方にも触れられているので言うと、臣下が君主に、その分を超えて諫言に及ぶとき、特に、日本国の皇太子に対して宮内庁長官が諫言に及ぶ、といったときには、その身を捨てて諫言する、ということが必須であり、そういう意味でも、その地位にしがみつきつつ諫言めいたことをしている宮内庁長官の身の処し方は間違っていると思います。織田信長に諫言した平手政秀のように切腹しろとは言いませんが、その職を辞することはすべきでしょう。
それでなくても、皇室のこの部分の問題については、憶測、虚偽なども取り混ぜた様々な報道があり、そこに、宮内庁長官ともあろう者がこのような行為に及べば、その傾向に、悪い方向へ向かって拍車がかかることは確実でしょう(事実、そうなってしまっています)。
雅子妃はご病気であり、徐々に快方に向かってはいると言っても、簡単に,はい、治りました、で済むようなものではなく、その背景、原因になった事情についても、皇太子も含め、様々な思いがあるでしょう。そういったことを、一部のマスコミのように、おもしろおかしく取り上げ、それに、宮内庁長官が拍車をかけるようなことが、この問題の好転にとって有益とは到底思えません。
問題というものは、ただ騒いでいれば解決するものではなく、静かに見守られ、時が過ぎる中で、徐々に解決されるものもあって、この問題は、正にそのような問題なのではないか、という気がします。