警官暴言被害者の勾留請求を却下  大阪地裁

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110315/trl11031519490001-n1.htm

決定理由で遠藤裁判長は、在宅起訴にとどまった高橋被告との対応の違いや、高橋被告の初公判翌日に最初の逮捕があったことにも触れ「本件での勾留は不利益が大きく、相当ではない」と指摘した。

こうなるまでに、

大阪地検(より正確に言うと大阪区検)が、暴言警察官を脅迫罪で略式命令請求
大阪簡裁が、略式不相当と判断し、大阪地裁へ移送
大阪地裁で暴言警察官の第1回公判が行われ、その当日に、被害者が逮捕(窃盗罪)
被害者の起訴後、今度は強要未遂罪で逮捕、勾留

という経過をたどっていて、その上で、この勾留却下決定ですから、異例づくめの特異な経過をたどる事件と言えるでしょう。
被害者側が問われている、窃盗罪、強要未遂罪が、どこまで実態のあるものなのか、証拠を見ていないので何とも言えませんが、大阪地裁は、上記の記事にあるように、暴言警察官の初公判当日に当初の逮捕が行われていることや、あれだけの暴言を吐きまくりながら警察官は在宅捜査、「被害者」側は逮捕、勾留を繰り返しているという偏頗な取り扱いに、よほど腹を据えかねたものと見えます。通常、裁判所が、こういった理由で勾留を認めないことは、まずないだけに、捜査機関の捜査の進め方に、裁判所がかなりの不信感を持っていることは間違いないでしょう。
大阪地検については、貧すれば鈍する、という言葉を思い出しました。健全な知恵が出なくなり、ますます追い込まれつつあるということでしょう。