<横領公判>大阪地検、無罪求める論告 即日無罪判決

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120710-00000041-mai-soci

弁護人や起訴状によると、男性は11年6月24日、車のルームミラー(5390円相当)を大阪市内のマンションに配達した際、相手が不在だったため、午後2時48分ごろにマンションの宅配ロッカーに配達物を入れたが、その直後に持ち去ったとして、大阪府警が同年9月に窃盗容疑で逮捕、大阪地検が業務上横領罪で起訴した。男性は否認していたが、保釈されるまで約1カ月間、勾留された。
公判で検察側は、配達物がロッカーから取り出された際にセンサーが記録した時刻が午後2時48分だったと主張。配達物を入れた時刻と出した時刻が同じだとして、男性が持ち去ったと認定した。これに対し男性は「ロッカーに配達物を入れた後、扉を閉めることができず、そのまま帰ったが持ち去っていない」と反論。このため地裁は検察側に補充捜査を求めた。
検察側が今年6月、ロッカーのセンサー記録システムの設計者に尋ねたところ、扉を閉めずに放置すると、配達物が取り出されても、扉を閉めずに放置した時刻が誤って記録されることが判明した。

中身が分かる状態で配達されていたかどうか明確ではありませんが、5000円余りの車のルームミラーを、わざわざ配達員が横領する、というのが変ですね。検察主張のような態様で横領すれば、真っ先に疑われるのは配達員本人ですから、あまりにも稚拙すぎる犯行でしょう。しかも、横領した物の裏付けができていないという弱点を、そもそもこの事件は抱えていたと思います。そうであれば、被疑者の弁解(ロッカーに配達物を入れた後、扉を閉めることができず、そのまま帰ったが持ち去っていない)に沿った記録がされるのではないか、ということを、起訴前に十分確認しておくべきで、それを怠った捜査は、当然、ずさんと批判されるべきものだと思います。
基本に忠実な捜査、ということがよく言われますが、基本を怠り大きく失敗した例と言えるでしょう。