江の生涯―徳川将軍家御台所の役割

江の生涯―徳川将軍家御台所の役割 (中公新書)

著者の

淀殿―われ太閤の妻となりて (ミネルヴァ日本評伝選)

のほうを、以前、たまたま買って少し読み、これはおもしろそうだと思ったまま通読できずにいますが、先に、「江の生涯」のほうを読むことにしました。ＮＨＫ大河ドラマの影響をかなり受けています。
江が、徳川秀忠の正室になる前まで読んだところですが、史料に乏しい江の生涯について、様々な史料を丹念に読み解きながら、合理的な推定も交えつつできる限りフォローされていて、なるほど、この辺りが実態だったのであろうと思わせるものがあります。
大河ドラマでの描かれ方とは相違点も多々ありますが、江が、時代の流れの中、過酷な運命を乗り越え、運にも恵まれて、次第にのぼりつめて行く姿には、時代を超えて共感を覚えるものがあり、大河ドラマも、なかなか良いところを捉えたものだということを感じました。