『海賊版』の広告禁止検討 文化庁 ネット競売阻止狙う

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007072702036316.html

現行法では、海賊版のネットオークションへの出品自体は販売や所持とは違って「広告の掲載」と見なされ合法とされている。また、出品者が住所や氏名を明らかにしていないケースが多く、著作権団体などが警告したり、訴訟を起こすことが困難だった。
海賊版広告を違法と規定すれば、プロバイダー責任法に基づき情報開示請求で出品者を特定したり、広告削除の要請ができるようになるほか、損害賠償請求など民事的措置も可能になる。

プロバイダ責任制限法上、発信者情報開示が請求できるのは「情報の流通による」権利侵害がある場合なので、上記のように、販売の準備である「広告」の段階では、「情報の流通による権利侵害」が、いまだ存在しないのではないか、という考え方が一般的でしょう。
実務的には、広告の後に販売に至っているのが通例で、広告だけで終わっている、という事例が問題にされることはほとんどないと言えますが、権利者は、従来、法的措置のために、身元を隠して買い受け海賊版を確保する、といった作業をしており、上記のような改正が行われれば、法的措置を講じる上で利便性が高まる、ということは言えると思います。
ただ、そうなっても、「海賊版を販売するため広告している」ことは立証する必要があり、単なる「疑い」だけでは動けないことに変わりはありません。
利便性は高まるものの、何かが画期的に変わり、前進するほどではないだろう、と思います。