「無罪判決」受けても釈放されないのはおかしい――日弁連が刑訴法改正求め意見書提出

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日弁連は意見書で、刑事訴訟法を改正して、「判決で無罪の言渡しがあったときは、上訴審において原判決が破棄されるまでは、新たに勾留状を発することができない」という条文を新しく設けることを求めている。

日本の刑事訴訟法では、捜査、公判の対象になっている人について、勾留するかしないかのどちらかしかの道しか用意していなくて、その中間がなく、これは大きな欠陥として是正される必要があるでしょう。勾留後には保釈という制度があって保釈の際に様々な条件を付することが可能ですが、あくまで勾留が前提になっている上、保釈保証金が必要にもなり、しかも、被疑者段階では保釈がそもそもできない仕組みになっています。
勾留、在宅の中間に、捜査、公判の対象になっている間は居住地を制限するとか関係者との接触を禁じるとか事件関係の発言を禁じるなど、必要かつ合理的な制約を裁判所が課すことができるといった制度を導入すれば、従来、身柄拘束されていた一定数はそこへうまく誘導でき身柄拘束までせずに済みます。行動制限を課す際には、GPSで行動状況が把握できるようにすることも方法としてはあり得るでしょう。身柄拘束よりはそういったより緩やかな制限のほうが人の生活への影響もより少なく済みます。
今後、無罪判決後には身柄拘束しない、といった方向で制度を変える際には、そういった制度も併せて導入することで、刑事司法全体で過剰な拘束を避けつつ適正な捜査、公判進行が可能になることを目指すべきだと思います。