http://www.yomiuri.co.jp/hokkaido/news/20140717-OYTNT50008.html
判決によると、会社役員は昨年5月29日、喜茂別町の国道230号で乗用車を運転中、速度違反自動監視装置(オービス)で法定の最高速度(60キロ)を34キロ上回る94キロで走行したと測定された。
会社役員は後続車両にあおられたため、危険を避けるために前方車両を追い越そうと速度超過をしたと主張。大久保裁判官は「後続車は被告の車に密着して迫っており、生命の危険が存在していた」として、違法性を免じる「緊急避難」が成立するとした。
緊急避難は、刑法37条1項に規定があり、「自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。ただし、その程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。」とされていて、違法性阻却事由(成立すれば行為の違法性がなくなる)とされています。
報道でしか事情がよくわかりませんが、こうした「あおり行為」は、車を運転していると、時々、経験することで(私自身、やったことはありませんがやられたことはあります)、危険を避けるために上記のような運転行為をする、というのは、あり得ることでありやむを得ない場合もあるのではないか、と感じます。
速度違反だから、と検察庁で形式的に罰金処理するのではなく、こうした弁解が出た場合は、証拠を精査して、弁解が相当性を持つ場合は(排斥できない場合は)不起訴にするという、適格な判断、処理が必要という、教訓になる事件ではないかと思います。