時効見落とし起訴、53日不当勾留…東京区検

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130802-OYT1T00766.htm?from=rss&ref=rssad

発表などによると、男性は2010年5月に東京都渋谷区内のビルに窃盗目的で侵入した疑いで、今年5月、警視庁に建造物侵入と窃盗未遂の容疑で逮捕された。副検事は建造物侵入罪のみで東京簡裁に起訴したが、時効が5月中旬に成立していたことを見落としていた。起訴は区検刑事部長らが決裁したが、誤りに気づかなかったという。
区検は7月26日に窃盗罪などで追起訴したが、公判担当者が誤りに気づき、29日に勾留を取り消して釈放した。建造物侵入事件は同月に初公判が開かれたが、弁護人や裁判官から誤りの指摘はなかったという。

「建造物侵入事件は同月に初公判が開かれたが、弁護人や裁判官から誤りの指摘はなかった」とあって、弁護人はともかく、裁判官も気付いていなかったのは怖いですね。簡裁といっても、頭の中身も簡易になってはいけません。
窃盗罪は法定刑が最長で10年以下の懲役で、公訴時効期間は7年ですが、建造物侵入罪は、記事にもあるように、法定刑が短い分、早く時効になるので、起訴しようとした際に、その点に気付いて、起訴自体を見送るか、窃盗未遂罪も併せて起訴しておくべきでしたね(建造物侵入罪とは科刑上一罪の関係にあり、諸説ありますが、判例は、この場合、最も重い窃盗未遂罪を基準に公訴時効を考える、としています)。
検察庁では、こういった過誤がないように、昔から、警察からの送致時点で時効が迫っているものは「時効切迫」と付箋を記録につけておいたり、起訴時のチェックリストを配布して時効等の確認の励行に努めてきてはいますが、忙しさに追われ、そうしたチェックがおそろかになりがちなのも事実です。忙しくても、立ち止まって考え、チェックをきちんとかけることを習慣化すべきでしょう。私も、今後とも注意しなければと思いました。