出版取次では過去最大の倒産、栗田出版販売が民事再生

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150626-00010001-teikokudb-ind

他の大手業者とは異なり、中小・零細規模書店との関係構築に傾注し、長年の業歴で培った経験と書店経営者の目線に合わせた地道な営業活動を展開。91年10月期には約701億7900万円を計上していた。
しかし、近年はインターネットやスマートフォンなどコンテンツの多様化もあり、若者層を中心に書籍の販売数が減退するなかで、減収基調が続き財務面も悪化。同業者との業務提携やグループ内での経営効率化などを進めていたものの、2014年9月期(97年に決算期変更)の年売上高は約329億3100万円に減少し、債務超過に転落していた。

売上が約701億7900万円→約329億3100万円と、20年余りで半分を割り込んでいて、書籍が売れなくなっていることをひしひしと感じさせるものがありますね。
私も、最近は、電子書籍を利用することが徐々に増え(電子書籍で出ていればほぼ電子書籍で買って)、また、リアルな書店ではなくアマゾンで本を買うことが多くなっていて、かつては、今よりも暇だったこともあってよく書店に行ってうろうろしながらよく本を買っていた、その購買スタイルが激変しています。そういう環境変化に対応しきれずに、今後も既存の書店、取次でこうした動きは次々と出てくるだろうと思われます。
とはいえ、では、紙の本はなくなって良いのか、リアルな書店はなくても良いのか、というと、私はそうは思いません。やはり、魅力ある商品として一定の範囲で紙の本も残っていくだろうと思いますし、ネット通販のように商品を一覧して見にくいのとは違った、リアル書店の良さというものも捨て難いものがあります。また、単に本を並べて売るというだけでなく、例えば読書に関するコンサルティング機能などリアル書店でないとなかなかできないことを、今後はしっかりやることで生き残る必要もあるのではないかと思います。
本が売れなくなったと嘆いて自滅するままでいるのではなく、積極的に新しい役割も果たすべく打って出てほしいと、既存の業界には大きく期待するものがあります。